宇治園 本町店 / 設計ブリーフ

平面図ラフのための前提まとめ — 席数・営業時間・収支

2026-06-22 / 宇治園グループ / 開業目標 2026-12-15 / 物件 39.49坪(130.57㎡)・本町4丁目
人員 基本4人(ピーク5) 席数 35〜40(推奨36) 営業 7:00–21:00 年中 BEP 月商561万

中村さんからご依頼の3点(席数・営業時間・損益分岐点)に、業態方針と動線オーダーを添えてまとめました。数値はすべて仮です(平面図ラフを拝見して本確定する前提)。

1業態の方向

オフィスワーカーに特化した、カウンターサービス型のカフェ。 世界観は「ブルーボトルの抹茶・和スイーツ版」。宇マークをブランドの顔に、老舗茶舗のレガシーは威厳の差し色として最小限に。
提供方式
有人レジで注文 → カウンターで受け取り → セルフで着席 → 食器はお客様が返却(セルフバッシング)+スタッフがテーブル拭き・サポート(テーブルでの注文サービスはしない)
ドリンク
抹茶を中心とした日本茶ドリンク。日本茶フラペチーノ等も検討中(メニューはターゲット逆算でゼロベース設計)
フード
ショーケースから取って即食のグラブ&ゴー型ブリトー3味 + 生茶麺(着席軽食・現段階では入れる)/地元ベーカリーと組むパンコーナーも検討中(§2参照)
物販
茶葉・ギフトを歩線上で見せて買ってもらう(収益の柱の一つ)

2最重要オーダー:4人で効率よく回る動線

薄利の業態なので、無駄な動線=無駄な人件費に直結します。動線が散るほど人が増え、損益分岐点が上がります。

  • レジ+ドリンク/抹茶バー+ショーケース+ピックアップを1本の連続カウンターラインに集約。お客様は「注文→受取→着席」が一直線に進む。スタッフ4人(レジ・キッチン・ドリンク・サポート/テーブル拭き)が最短距離で動け、ピーク+1も入れる配置に。
  • セルフバッシング動線:お客様が自分で下げる返却口・食器/ゴミステーションを退店歩線上に。スタッフが補助で回りやすい位置にも。
  • 抹茶を点てる・ドリンクを作るライブバーを動線のクライマックスに。「作る所を見せる」のが食堂・自販機化への対抗策(Blue Bottle のプアオーバーバー相当)。
  • 物販は入店〜会計〜退店の歩線上に。お客様を歩かせて見せる=物販を収益源に。
  • ※ 将来 BEP を下げる場合にセルフレジ化できる注文導線の余地も見込んでおく。

床配分の優先順位 = 集約カウンター > 物販歩線 > TOピックアップ > イートイン席。席は詰め込まない(理由は §3)。

🥐 検討中:パンコーナー(地元ベーカリーと連携)
フードの第3の柱として、地元ベーカリーと組むパンコーナー(ブース貸し or 日配で仕入れ販売)を検討中です。実現時は陳列什器ぶんの専用区画が要るため、レイアウトに振り替え可能な余白(物販歩線の一部を転用できる等)を見込んでおいていただけると助かります。方式が固まり次第ご連絡します。

3① 席数 = 35〜40席(推奨36)/ その根拠

席数は2方向から出して、低い方を上限にしています。結論=需要が要る席数は床の上限より少ないので、余白を物販・TOに回せます。

方法A:床から(上限)

39.49坪 × 客席に充てる床4〜5割 ÷ 1席あたり約0.5坪 ≈ 35〜40席。これが物理的に置ける最大。

方法B:需要・回転から(必要数)

必要席数 = 1日客数 × 昼ピーク集中率 × イートイン比率 × 平均滞在(時間) ÷ 実用稼働0.75。
本町の想定客数 約200人/日・1組1.85人(既存店実績)で試算。

方法Bの感度(業態の振り方で必要席数が動く)

前提グラブ&ゴー攻め中間着席ランチ守り
昼ピーク集中率15%20%25%
イートイン比率40%50%60%
平均滞在20分30分45分
→ 必要席数約5席約13席約30席
結論:需要が要るのは 5〜35席(中央13)、床の上限は 〜40席需要 ≤ 床上限なので席に床を取られ過ぎず、余白を物販・TOに回せます。「推奨36」は、いちばん席が要る「着席ランチ×回収ライン」のケースでも捌ける安全側の上限
👉 設計上の含意:イートインを持ち帰りに振るほど必要席が減り、その床を物販に回せます。「席数」は「物販にどれだけ床を割くか」とセットの判断です。

※ 生茶麺(着席で食べる軽食)を入れるぶん、イートイン比率と滞在時間はやや上ぶれ=上表の「中間〜着席守り」寄りで見ておくのが安全です。

4② 営業時間 = 7:00–21:00 年中(仮)

真向かいのシアトルズベスト御堂筋本町店(毎日7:00–21:00)に追随。夜は開業後3ヶ月実測し、弱ければ早閉めに切り替える前提。この長時間営業は §2 の省人化動線が効くことが条件(散ると人件費で重くなる)。

5③ 損益分岐点(BEP)= 月商 561万円

これ以上で黒字、以下で赤字になる月商ライン。人件費は客数で増減せず店を開ける限りかかる=実質固定費なので、動線の集約度(=必要人数)がBEPを直接決めます。

固定費(年)
1,440万+人件費
変動費率
40%
基本4人の人件費
約2,600万/年

固定費 = 固定賃料600万 + 減価償却600万(投資3,000万÷5年)+ その他240万 = 1,440万 + 人件費2,600万 = 4,040万
BEP月商 = 4,040万 ÷ (1−0.4) ÷ 12ヶ月 = 約561万円

動線で人を減らせれば BEP は下がる

体制(同時人数)年間人件費BEP月商動線条件
基本4人(現案)約2,600万561万レジ有人。バッシングはセルフ+4人目がサポート/テーブル拭き
3〜4人約2,000万478万レジをセルフ化して1人減
2〜3人約1,500万408万さらに省人(注文導線も簡素化)

集約レイアウトで閑散時に人を絞れるほど、収支が軽くなります。動線設計が収支の本丸です。

6BEP561万は現実的か = 既存店の実績で確認

宇治園グループのカフェ業態5店の実績(2025暦年)。本町の規模感の参考に。※立地特性の違う表参道店、業態の違うスタンド型は除外。

店舗業態月商平均客単価客数/日
梅田店CAFE932万¥1,085286人
三宮店CAFE608万¥1,085189人
箕面 ROASTERYROAST519万¥1,108154人
心斎橋本店2FCAFE465万¥1,077142人
芦屋店CAFE215万¥1,10465人

読み方:BEP561万は「三宮店クラス(月608万・189人/日)の店を作れれば達成」できる水準。既存カフェの客単価は¥1,077〜1,108で、本町の想定¥1,050はこれよりやや低め=堅実な設定到達は十分現実的ですが薄利なので、§2の省人動線と§3の物販床がそのまま収支を左右します。

7需要(客数)の見立て

徒歩圏の昼間就業者(400m圏 約5.2万人)・カフェ利用頻度・競合キャパから試算した、本町が平日に獲得しうる客数は 約250〜500人/日。BEP到達に必要なのは三宮クラスの約190人/日なので、射程内。ただし「平日カフェ立寄り率」「商圏シェア」が未検証のため、開業前に競合(向かいスタバ等)の実客数カウントで裏取りを進めます。この需要レンジは設計のキャパ(捌ける客数の天井)と突き合わせます=§3の席数・カウンター処理能力。

8まだ仮・これから詰める点

中村さんの平面図ラフ(集約レイアウトで何人で回るか)が、人員・席数・BEP・営業時間の本確定の起点になります。よろしくお願いします。